5.遺言をすることができる人

皆さんは、遺言のイメージといえば、ドラマか映画のように死期が迫って家族を枕元に呼び寄せて…という光景を思い起こされるでしょうか。

 

もっとも、現実に遺言をするには、遺言書の作成の際にご自分の行為の結果を判断できるだけの能力(これを意思能力といいます)が必要なので、そのような状態では遺言書を作成することは不可能です。

 

また、認知症などの精神障害の影響で、この能力が低下した状態で遺言書を作成した、ということになれば、後で遺言書が無効となってしまうおそれもあります。また、相続人の間で、遺言書の有効・無効をめぐって無用の争いを招くおそれもあります。

 

一方、逆に若い方の場合には、何か制限はあるのでしょうか。
イメージがなかなか湧かないかもしれませんが、実をいうと法律上は、遺言は15歳以上の方ならすることが可能です。
しかも、未成年者の方であっても、法定代理人(親)の同意なしでも単独で可能です。

 

つまり、以下に当てはまる方以外の方は、どなたでもご自身で有効に遺言をすることが可能なのです。
・年齢が15歳に満たない方
成年被後見人の方
※成年被後見人の方の場合、一時的に判断能力が回復している場合には遺言可能ですが、医師2人以上の立会いが必要など、ごく例外的です。
※なお、被保佐人、被補助人の方は、問題なく遺言をすることができます。

 

ということで、遺言書を作成すべき適切な時期とは、実は心身が健康である今のうちであると思います。

将来、状況が変化するかもしれないからまだまだ…とお考えの方もおられると思いますが、遺言書は状況の変化に応じて何度でも書き直しが可能ですので、一度考えてみられてはいかがでしょうか。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。