26.上申書という書類について その2 住所の沿革がつかない場合

私ども司法書士は、相続による所有権移転の登記申請の業務において、お客様のためにこの上申書を作成して法務局に提出することがあります。

前項「25.上申書という書類について その1 他に相続人がいないことの証明」に引き続き、ここでは住所の沿革がつかない場合の上申書についてご説明します。

 

具体的には、被相続人の登記簿に記載された住所(つまり、所有権を取得された時点での住所です)と、亡くなられた時点で最後に住んでおられた住所との沿革を証明する住民票の除票または戸籍の附票の除票が、保存期間の経過により廃棄処分されていて添付できない場合に、この上申書を作成することになります。

 

こちらのケースの場合、住民票の除票または戸籍の附票の除票の保存期間は、記載されている方全員が除かれてからわずか5年ですので、廃棄処分されていて添付できないことが結構多いです。そのため、こちらのケースを理由とする上申書の作成の事案は、私の感覚では結構多い印象です。せめて10年くらい保存しておいてくれれば…、と思うことが多いです。

 

被相続人の除籍謄本や改正原戸籍謄本には、被相続人の本籍地や身分に関する事項(出生、結婚、死亡など)は記載されていますが、被相続人の住所に関する情報は書かれていません。
そのため、登記簿に記載されている被相続人の方が、除籍謄本や改正原戸籍謄本に記載されている被相続人と同一人物であることを明らかにするため、本籍地の記載の書かれた住民票の除票や戸籍の附票の除票の添付を求められていますが、廃棄処分されて存在しないものは添付できず、かといって相続登記できません、では当事者の方も困るでしょうから、代替手段として考え出された方法が、この上申書を用いる方法です。

 

この上申書には、簡単に言いますと、「被相続人の登記簿記載上の住所から死亡時の住所への沿革を証明する住民票の除票や戸籍の附票の除票が、廃棄処分されているため添付できませんが、登記簿上の名義人は被相続人本人に間違いございません。決して御庁にはご迷惑をおかけしませんので、本登記を受理いただきたく宜しくお願い致します。」などと書いて、相続人全員が実印を捺印し、印鑑証明書を添付します。

 

また、権利証などの書類を追加で提出することを求められるのが通常であり、法務局と事前打ち合わせを行ってその都度必要書類を確認するのは、前項の他に相続人がいないことの証明の場合と同様です。

 

はしもと司法書士事務所でも、この、住所の沿革がつかない場合の上申書の作成もさせていただきますので、詳しくはご相談ください。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。