18.代襲相続とは

代襲相続とは、相続人であるべき子または兄弟姉妹が、被相続人(今回亡くなられた方)が亡くなられた時点よりも前に既に亡くなっておられるなどの場合に、その方のお子様たちが相続人としての地位を引き継ぐことをいいます。

 

【注意点】

 

◎代襲すべきお子様(被相続人の孫)も先に亡くなられていたなどの場合には、下の世代の方(被相続人のひ孫)が更に相続人の地位を引き継ぎます。これを「再代襲」といいます。
一方、兄弟姉妹の場合は再代襲しません。つまり代襲するのは被相続人の甥、姪までです。

 

◎代襲するお子様が複数おられる場合は、それぞれが均等に配分します。

 

◎代襲相続が発生するケースとしては、相続人が被相続人の死亡以前に死亡していた場合(同時に死亡の場合も含みます)の他に、
 ・相続人が相続欠格事由(相続にまつわる不正行為など)に該当する場合
 ・相続人が被相続人を虐待したなどの理由で廃除された場合
も含みます。

 

一方、相続人が相続放棄を家庭裁判所に申述した場合には代襲相続は発生しません。「初めから相続人ではなかったものと見なされる」からです。

 

具体例.

 

被相続人Aさんには、相続人として妻Bさん、長男Cさん、長女Dさん、次女Eさんがいますが、このうちDさんは既に亡くなられており、Dさんには夫Fさんとの間に長女Gさん、長男Hさんがいる、というケースを想定します。

 

本来、法定相続人はBさん(2分の1)、Cさん(6分の1)、Dさん(6分の1)、Eさん(6分の1)となるはずですが、Dさんが既に亡くなられているため、Dさんが相続するはずだった6分の1の相続分は、Dさんの子であるGさんとHさんがそれぞれ12分の1ずつ権利を有することになります。

 

仮に遺産分割協議を行う場合には、Bさん、Cさん、Eさん、Gさん、Hさんの5人で行うことが必要となります。


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