16.法定相続人と法定相続分

法定相続人とは、民法で、被相続人(亡くなられた方)の財産を受け継ぐ権利を有すると規定されている方のことです。

 

亡くなられた方が特に遺言を残しておられていないか、残しておられても法的に有効なものではなかった場合には、民法の規定により、財産を受け継ぐ権利を有する方(法定相続人)とその優先順位・取り分などが決められています。
そして、その取り分のことを法定相続分といいます。

 

では、法定相続人と法定相続分はどうなっているのでしょうか。

 

民法では、まず配偶者の方(亡くなられた方の夫または妻)に取り分が定められ、残りを以下の第1~第3順位のグループの中の最上位のグループの法定相続人で均等に分割することになっています。

 

つまり、常に相続人となるのが配偶者


第1順位=亡くなられた方のお子様
第2順位=亡くなられた方の父母または祖父母直系尊属といいます)
第3順位=亡くなられた方のご兄弟姉妹

⇒第1~第3順位というのは、例えば、亡くなられた方にお子様がおられれば、直系尊属や兄弟姉妹は法定相続人にはなりません、という意味です。

 

具体的な法定相続分は、

1.法定相続人が配偶者だけの場合なら、配偶者が全部

2.第1~第3順位の各グループの方だけの場合でもその方々が全部(※)

3.配偶者とお子様の場合、配偶者2分の1お子様2分の1(※)

4.配偶者と直系尊属の場合、配偶者3分の2直系尊属3分の1(※)

5.配偶者と兄弟姉妹の場合、配偶者4分の3兄弟姉妹4分の1(※)

(※)複数の方がおられる場合はその分を均等に分割します。

 

もちろん、法定相続人全員が協議して合意に至れば、この法定相続分の割合のとおりに遺産を分割しなければならないわけではありません。


ただ、法定相続分は、相続税の額を計算する場合や、法定相続人全員の協議で合意に至らない場合の目安としての意味もありますので、その内容を理解しておく必要はございます。

 

以上、原則的なケースを見てきましたが、特殊なケースもございますので、ご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。