2.相続による所有権移転登記の必要書類その2 遺言書がある場合

相続による不動産の所有権移転登記のうち、お亡くなりになられた方が遺言書を残しておられたケースの必要書類を、なぜ必要なのかも含めて詳しく見ていくことにします。

 

◎被相続人(亡くなられた方)の死亡の記載がある戸籍謄本または除籍謄本

1.の遺言書がないケースと異なるのは、遺言で具体的に不動産を取得される相続人の方を指定している場合には、結局その方以外の相続人は関係がなく、法務局としても改めて不動産を取得される方以外の相続関係を調査する必要がなく、①遺言者が死亡したことと、②不動産を取得される方が遺言者の相続人であること、の2点さえ分かれば良いからです。有効期限はありません

 

◎被相続人の住民票の除票(本籍地の記載入り)

被相続人の方の死亡の事実と、その住所を証明するためのものです。最後の住所地の市町村で取得できます。上記の戸籍類では被相続人の方の住所が分からないため、戸籍類に記載の方と、登記簿に記載の方が同一人物であることを証明するために必要です。有効期限はありません

※本籍地と住所の記載から同一人物と判断する必要があるため、住民票の除票には、本籍地の記載を入れてもらうよう、市町村の窓口の方に頼んでください。

 

◎相続人(不動産を取得される方)の現在の戸籍謄本

1.の遺言書がないケースと異なり、実際に遺言書に記載された取得者の方の分のみで結構です。相続開始時点以降に取得者の方がご健在であることが分かればよく、有効期限はありません

 

遺言書

公正証書遺言の正本検認済みの自筆証書遺言・秘密証書遺言の原本になります。

※自筆証書遺言と秘密証書遺言については、家庭裁判所の検認という手続きを経る必要がありますので、もし発見された場合でも勝手に開封されずにご相談ください。

なお、公正証書遺言では公証人があらかじめ内容を確認し、かつ原本を保管していますので、検認手続きは不要です。

 

◎不動産を取得される方の住民票(本籍地の記載入り)

不動産を取得される方の住所と氏名が登記簿に記載されることになるので必要です。

※本籍地と住所の記載から同一人物と判断する必要があるため、本籍地の記載を入れてもらうよう、市町村の窓口の方に頼んでください。

 

◎相続不動産の固定資産評価証明書

登録免許税の額を計算するのに必要です(評価額の0.4%)。市町村の資産税課で取得できます。今年度のものをご用意ください。

※奈良市や大阪市など、市町村によっては納税通知書の写しで対応可能なところもあります。詳しくは当事務所までご相談ください。

 

◎相続人の委任状(当事務所にて作成いたします)

法務局に提出する登記申請のための書類です。当事務所にて作成いたします。

 

登記の手続きに使用した戸籍類・住民票類・評価証明書・遺言書の原本は、登記完了後に返却されます。従いまして、金融機関や証券会社などでの名義書換え・遺産整理手続きや相続税の申告手続きなどにもご利用いただけます。

 

また、戸籍類・住民票類・評価証明書につきましては、ご依頼いただければ当事務所にて取得させていただくことも可能ですので、お気軽にご相談ください。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。