2.商業・法人の登記簿について その1 登記簿の種類

商業・法人の登記制度は、会社法や各種の法人に関する法律などの規定により、会社や法人などに関する取引上重要な一定の事項(名称、本店所在地、目的、役員など)を、商業・法人登記簿に記録して法務局に備えておくことにより、広く一般に公開するための制度です。

 

登記制度があることによって、取引の相手方の状況を把握して取引の安全や円滑化を図ることに資することになります。
一方、会社や法人の側から見ても、登記簿に自らについての重要事項を明らかにすることによって、会社や法人自らの信用の保持に資することになります。

 

この商業・法人登記簿の証明書は、一定の手数料さえ払えば誰でも取得することが可能です。
(法務局で取得する場合は、いずれも1通600円。ページ数が極端に多い場合には増額あり。)
法務局で取得した証明書は、法務局の登記官の認証印が付されていますので、公的な証明書として使用が可能です。

 

商業・法人登記簿には、掲載されている情報量の多少に応じて、以下の種類に分けられます。

 

履歴事項全部証明書
これが最も掲載情報量が多い証明書です。現在効力を有する事項の他に、過去3年間の変更・抹消事項も掲載されています。

 

現在事項全部証明書
こちらは現在効力を有する事項のみが掲載された証明書です。

 

代表者事項証明書
会社・法人の代表者についての事項が記載された証明書です。
※なお、上記の履歴事項証明書・現在事項証明書も代表者の資格証明書として使用できます。

 

閉鎖事項全部証明書
登記簿のコンピュータ化以後で、かつ、履歴事項証明書に載っていない3年前以上の事項、または既に閉鎖された登記簿の事項が記載された証明書です。
※法務局により登記簿のコンピュータ化の時期は異なります。

 

◎更に、上記の各事項「全部」証明書の記載事項のうち、必要な部分の記載区分を選択して抜き出した証明書として、各事項の一部」証明書もあります。

 

このように、どなたでも登記簿は法務局で取得可能ですし、最近ではインターネットでも取得が可能になっています。

また、はしもと司法書士事務所でも商業・法人の登記簿謄本の取得をお手伝いさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。

 

注.「登記簿謄本」「抄本」という言い方は、登記簿が紙だった時代の名残で、コンピュータ化されたものは正式には上記のような名称で呼ばれています。ただ、謄本・抄本という言い方の方がわかりやすいため、今でも便宜上そう言う場合が多いです。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。